93歳、女性。約三年前に交通事故に遭い、左足を複雑骨折。
入院治療、リハビリ終了するも、足を大きく開くことができず歩幅は狭くなっていました。しかし高齢のためか、その状態で「治癒」とされ、約二年間、経過に変化はありませんでした。
今年の三月より、当院併設のトレーニングスタジオに通い始め、週に1~2回の運動を三か月間続けました。
仰向けになってもらい、指導者が手で抵抗をかけながらの抵抗運動(PNFなど)や、トレッドミルを用いて歩行の練習を行うなど、さまざまな運動を指導しました。
その効果はめざましく、下の動画を観て頂ければ一目瞭然だと思います。
運動を始めたばかりのころは、「足を開けない」とのことで、歩幅は狭く、時速0.5km以上に速度を上げることはできせんでした。
それが、三か月運動を続けることで、歩幅は広くなり、当初の四倍の速度(時速2.0km)で歩けるようになったのです。
93歳という高齢であっても、「やればできる」ということを示してくれたおばあちゃんでした。
運動に通っている他の方々も、「歩幅が大きくなった」「疲れにくくなった」「踏ん張れるようになった」などなど、みなさん効果を実感されているようです。
高齢者の歩行速度が速ければ速いほど、生存率が高くなることや、
歩行速度や握力によって、認知症のリスクが予測できるなどの研究結果もあり、
健康で長生きするにあたって、「歩行」はとても重要なポイントになることは間違いないでしょう。
「もう歳だから…」と諦めるのは、まだまだ早いかも知れません。
少しでも体を動かして、健康に長生きしましょう。
※運動を行ってはいけない傷病もあります。運動をしてもよいかどうか、医療機関にて相談してから運動を行いましょう。