photo by Ivan Febri
前回記事
『人生が思った通りになってしまう理由(1/2)』
『人生が思った通りになってしまう理由(2/2)』の続きです。
『俯瞰(ふかん)』
高いところから見下ろすこと。全体を上から見ること。
Wikipediaより
俯瞰を心理学的に(簡単に)説明すると、「自分を客観的に見つめる」ということです。
俯瞰ができれば、あらゆることを改善できるようになるのだそうです。
これは、何百年も前から、偉人たちが(言い回しや表現方法が変わりながらも)何度も何度も繰り返し伝えてきたことです。
図書館で少し立ち読みしても、こんな内容の啓蒙本や自己啓発本は何冊も見つかります。
「自分を客観視して見つめ直し、思考や行動を改善していけばいい」と。
俯瞰することができれば、「思い通りにならない」という思考が偏った思考であることが分かります。
だって、できる人との違いは、チャレンジの回数であると認識できるのですから。
それに気づけば、「自分もやればできるかもしれない」と思えるようになり、その思いがチャレンジの回数を増やし、結果できるようになるのです。
(僕がまさにそうでした)
でも、一番難しいのは、「俯瞰すること」なのだと僕は思います。
なぜなら、認知の歪みがあるから。
これまで、認知の歪みよって、客観視しているつもりが、全然できていないという話を何度もしてきました。
(『錯視に学ぶ心理』『「自分を省みる」ということの難しさ』など)
それは錯視を見ているのと同じように、理解していても(客観的に見ているつもりでも)、歪んで認識してしまうのです。
そういうわけで、「どうしたら俯瞰できるようになるのか?」が問題なので、ここからが重要なポイントになります。
結論から言いますと、俯瞰するためには、「認知の歪みが生じやすい状況(パターン)を理解する」ということが第一です。
どういう時に、認知の歪みが生じやすいかを知っていれば、そういう状況にある時に「今は意識して俯瞰する必要がある」と思えますから。
そしてその、歪みが生じやすい状況ナンバーワンは、不快感を感じる時なのです。
(神経質傾向の高い人は特に)
「あなたは間違っている」といった否定的な事象を突きつけられた時に生じる不快感が、認知の歪みを生じさせるのです(厳密に言うと、もっと色々な事が関わっていますが、ここでは簡易的に説明しています)
特に、神経質傾向の高い人は、否定的な事象をまず間違いなく過大評価してしまいます。
なので、不快感を感じた時は「今は認知の歪みが生じているかも!?」と思った方がよいです。
それだけで、否定的事実の過大評価が、いくらか改善されることが分かっています。
長くなったので、簡単にまとめます。
不安や悩みの多い人は、
自分を否定するような事が起きたときに、それをそのまま受け止めるのではなく、「自分は今、(大したことでもないのに)思い悩み過ぎている可能性が高い!」と考えるようにすればいいのだそうです。
「そんなの知ってるよ」と言われるくらい、この結論はありきたりですが、
自分の性格的な特性や、認知の歪みを熟知した上で取り組むことで、効果を発揮するのです。
そこが曖昧なまま、他の人も同じように認知していると誤解しているままでは、上のような対処法は知っていてもできないのです。
まずは「全く同じ事象を目にしても、その解釈は人によって全然違う」ということを知り、自分の中でしっかりと落とし込んだ上で、俯瞰することを心がけるのが良いようです。
さて次回は、俯瞰した後の対処法、色んな意味で成功するための方法論を、少し紹介したいと思います。