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人生は思い通りになんかならないと思っている人は、自らが思い通りにならないことを望んでいる人です。
ジョセフ・マーフィー
前回記事までは、自分の理論を肯定するようなデータばかりに注目してしまい、結果、「やっぱり自分は正しい」と思えてしまうという心理を説明しました。
しかしそれは、一部の人たちはにとっては、逆方向へ働いてしまうのです。
僕は、このブログ中で、性格診断の記事も書いています。(とっても長い記事です)
その中の、性格特性の1つに『神経質傾向』というものがあります。
これは、簡単に説明すると、
神経質傾向が高い人は、不安や悩み、後悔や怖れを感じやすく、自己肯定感が低い人です。
逆に、神経質傾向が低い人は、不安や悩みを感じることは少なく、失敗しても大して後悔したりしない人です。
(詳細は、『悩む人〜神経質傾向〜』へ)
世の中には、この値がとても高い人たちがいます。
そういう人にとっては、自分の理論を打ち立てたとしても「やっぱり自分は間違っているんじゃないか?」と感じてしまうのです。
なぜでしょう?
その理由も、認知の歪みが大きく関わってきます。
以前の記事で、人は、自分が確認したいことを肯定するデータを重要視してしまうと書きました。
(詳しくは、『見たい結果を見てしまう心理』へ)
しかし、神経質傾向の高い人にとっては、否定するデータを重要視してしまうことになるのです。
神経質傾向の高い人は、
自分を肯定するデータが例えたくさんあっても、認知の歪みによって否定するデータばかり重要視してしまい、否定するデータの方をかなり大きく見積もってしまうのです。
どんな事柄にも、少なからず否定的なものは存在します。
例えそれがごく少数派であっても、そういう人の意見ばかりが大きく聞こえてしまうのです。
神経質傾向の高い人を、はたから見ていると、
「なんでそんなに自分を卑下するの?」と思えてしまいます。
しかし本人は、卑下しているつもりはないのです。
なぜなら、認知の歪みによって、少数派の否定意見が、多数派に感じてしまうのですから。
多くの人から、「あなたは間違っている」と言われたら、おそらく誰でも自信を無くすでしょう。
神経質傾向の高い人は、ほんの一握りの人に否定されただけで(他の多くの人が支持していても)多くの人から否定されたかのように感じてしまうのです。
こんな認知の歪みは、とても辛いと思います。
次回以降は、そういった認知の歪みが、どうして人生までも変えてしまうのかを説明していきます。そして、それに対処するためのヒントも紹介したいと思います。