photo by CGP Grey
今回から数回に渡って、ダイエットに関する記事を書いていきます。
今回は、部分痩せについてです。
「二の腕のたるんだ脂肪を落としたい」
「顔や胸は落としたくないけど、お腹周りの脂肪だけ落としたい」
などといった願望は多くの人にあるものです。
そういった理由から、
二の腕を細くしたいなら二の腕のトレーニングを、
お腹周りを細くしたいなら腹筋のトレーニングをすればいい、と思われているように感じます。
しかし、結論から言いますと、おそらく皆さんが思うような部分痩せは、生理学的にありえません。
なぜなら、「腹筋をしたらお腹周りの脂肪がピンポイントで燃焼する」なんてことはありえないからです。
脂肪を燃焼させるかどうかは、ホルモンにかかっています。
そしてそのホルモンは、血液に乗って全身へめぐるのです。
つまり、腹筋をしたとしても、腕立てやスクワットをしたとしても、ホルモンは全身へ作用するということです。
そして、ホルモンの信号を受けて、重心から遠い位置から脂肪が燃焼していくのです。
重心の位置は人によって異なりますが、
重心の位置が高い人は、おへそ周辺から胸や背中、顔周辺も太りやすくて取れにくく、
重心の位置が低い人は、下腹部から太ももが太りやすく取れにくいです。
これについては、過去記事『お腹周りの脂肪がつくやすく、取れにくい理由』にて説明した通りです。
ただし、運動不足によって筋肉がかなり落ちている場合は、その部位の筋力トレーニングによって引き締まる効果はあります。
二の腕も、たるんだ筋肉が引き締まることで細くなりますし、
ぽっこりお腹も、たるんだ腹筋が引き締まることで少しへっこみます。
しかしこれは、脂肪が落ちたわけではなく、筋肉が引き締まっただけで起きるものですので、厳密には部分痩せとは違うのです。
この辺を混同してしまうと、効率のよいボディーメイクができないのです。
しっかりと知識を持って、目的を持って運動することで効果が大きくなることは、以前も説明した通りです。
ダイエットは、多くの人にとっては、本当に本当に難しいものです。
「これ!」といった、万人によいダイエット法など、この世に存在しませんから。
それでも、ほんの僅かでも効果的な方法を見つけられるよう、これから数週間、ダイエットについての科学的知識を説明していきます。少しでも参考にしていただければと思います。
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