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「自分を省みる」ということの難しさ


 photo by sergej xarkonnen 

 

「問題なのは、われわれが無知であることではなく、間違った知識を持っているということなのである」

アーテマス・ウォード

 

これまで説明してきた通り、世の中に広まりやすい理論は、成功者の理論で、かつ単純明快な理論でした。
(※ここでは主に、スポーツに関する理論について説明していきます)

詳しくはこちら↓
成功者の理論が“正しい”と感じてしまう理由とは?
単純明快な理論が“正しい”と感じてしまう心理とは?

成功者の理論のほとんどは、「自分がこれで成功したから」という部分を根拠としています。

さらに、“自分”という一個人を対象としているため、とてもシンプルな理論になりやすいのです。

そのシンプルな理論を、成功者が自分のサクセスストーリーと共に語ることで真実味を帯び、「この理論でトレーニングすれば成功するのだ!」と世に広まるのです。

 

でもちょっと待ってください。

 

人には、計り知れない【個人差】がありました。
『理想のフォームなど存在しない!?〜個人差とは何か〜』

その成功者の骨格筋は、大抵の人とは違っています。

ということは、その成功者のシンプルな理論は、多くの人にとってはイマイチな理論へと成り下がってしまう可能性があるのです。
(もちろん、その成功者にとっては、すばらしい理論だと思います)

こんな話をすると、世に【自分の経験による理論】を広めている人たちはこう言うのだそうです。

「いやいや、私の理論を実践して良い結果を出した選手もたくさんいる。だから私の理論は万人に良いのです!」と。

 

しかし、問題はその思考回路にあります。

 

実はこの、「自分の理論を実践した人は上手くいったのだ!」と考えてしまう思考回路には、認知の歪みが大きく関わっているのです。

まさに前回記事の錯視のようなものです。

事実を、実際とは違った形で認知してしまっているわけです。

「いやいや、何度確かめたって自分は正しく判断しているよ。だって、良い結果を出したデータがたくさんあるのだから」

と思っていても、それは前回記事の錯視の画像を見て、「何度も見ているけど、AとBは間違いなく違う色だよ」と言っているのと同じなのです。

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もし、前回記事の錯視の画像が、「これは錯視だ」と知らなかったら、「AとBの色は同じかもしれない」と疑う人などいないでしょう。

それと同様に、「自分の信じる理論については、認知の歪みが生じやすい」と知らなかったなら、自分の考察が誤っている可能性を疑うことすらないでしょう。

自分の考察を疑うことがなければ、それを正すことなど無理な話です。

 

人は、自分の経験を重んじ過ぎる傾向にあり、それが偏見へと繋がります。

そしてその偏見は、自分では偏見として認知されることなく(錯視と気づかずに「AとBは違うに決まってる」と言っているのと同じように)、修正されることもないでしょう。
(そういう僕も、以前は偏見のカタマリでしたが!今は知識を得た分、ちょっとだけマシになったと自負しています)

 

これは、様々な仕事においても、良好な人間関係を作る上でも、とても重大な問題だと思います。

 

では、どうやったら正しく判断できるのでしょう?

 

次回は、こういった「自分の信じる理論について、誤って考察してしまう」という認知の歪みについて、そしてその対処法について詳しくまとめていきます。(自分のために)

 

 

 

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