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お腹周りの脂肪がつきやすく、取れにくい理由

Full-Figured Man

「ポッコリお腹をなんとかしたい!」という人は多いと思います。ちょっと食べ過ぎると、すぐにお腹周りにお肉がついてきて、痩せようと努力しても、お腹周りの脂肪は取れにくいものです。

では、なぜお腹周りには脂肪が付きやすく、取れにくいのでしょう?

 

ヒト(動物)の様々な特性を探るのに効果的なのが、進化論的に考えるというものです。

これは、生物の二大目的である『生存と繁殖』において、少しでも優位だった個体が生き残って子孫を残し、そうでない個体は死滅していく、という観点から「どんな特性を持つ個体が生き残りやすく繁殖しやすいのか?」と考察していく、ということです。

このポッコリお腹問題も、進化論的に考えてみたいと思います。

 

まず、今現在のように、「食糧を安定して得られる」という生活は、進化の歴史においてごくごく最近のことだということを頭に入れなければなりません。

動物~ヒト進化の歴史を一冊の小説にまとめるとすれば、農耕を獲得し、文明が栄えたのは最後の1ページの、最後の数行でしかありません。

つまり、進化の歴史上、ほとんど全ての年代において、「食糧を安定して得られる」という生活ではなかったということです。そして、一日に数キロ~十数キロは移動し、身体を動かすことがとても多く、現在よりもエネルギーの消費量は多かったのです。

 

「毎日、一定の食糧を得られる」という確信はない一方で、エネルギーの消費量は多かったわけですから、その辺の苦難を対処することが重要だったことでしょう。

ということは、時にたくさんの食糧を得られたなら、今後のためにエネルギーを蓄えておくのが得策だったのです。

そこで、「エネルギーを脂肪として合成して皮下に蓄え、エネルギーが必要なときは脂肪を分解してエネルギーを得る」という身体に進化したのです。(進化の過程で、エネルギーを脂肪として蓄えられる個体が生き残り、そうでない個体はエネルギーを確保できずに死滅していったということ)

 

(本題である、「ポッコリお腹」が問題になるのはここからです)

 

では、皮下の脂肪をどこに蓄えるのが得策なのでしょう?

一日に数キロも移動し、時には全力で走って狩りをし、捕食者から逃げ、運動量の多かった動物(ヒト)には、それも重大な問題です。運動能力が損なわれることは、”死”と直結していたと言っても過言ではないでしょう。

また、運動能力の低い個体は、あまり異性にモテません。つまり、繁殖できずに淘汰されていくのですのですから、「できるだけ運動能力を損なわずに、脂肪を蓄える」というのは、とても重大な問題なのです。

腕や足を脂肪で重くしてしまっては、運動能力が著しく低下してしまうでしょう。また、顔や首など、あまり上部につけてしまったのでは、重心が上がってバランスが悪くなり、やはり運動能力は低下してしまいます。

ここまで説明すればお分かりかと思いますが、脂肪(重り)を蓄えるのにもっともバランスが良く、運動能力を損なわない場所が、『お腹周り』なのです。

「数キロの荷物を身に着けながら運動すること」をイメージするとよく理解できると思います。できるだけ運動能力を損なわないようにするには、荷物をお腹周りに密着させるのが一番だと分かるでしょう。

かといって、すべての脂肪をお腹周りに集中させすぎても、やはりバランスが悪くなってしまいますので、お腹周りにある程度溜まってきたら、太ももや上腕、背中、顔などにも蓄えるようになっていきます。

そのため、ダイエットをしたときの脂肪が分解される順番はその逆で、顔や上腕、大腿部なんかが最初に取れてきて、お腹周りが一番最後、ということになるのです。

 

さらに、現代は飽食の時代でありながら運動量は激減していますので、太りやすいのも無理はないのです。(こちらもご覧ください→『食事を少なめにすると身体にいいと分かっていても、食べずにはいられない理由』)

 

ちなみに、お腹周りの脂肪を燃焼させたいからと言って、腹筋運動をしたところで、お腹の脂肪だけとれていく(部分痩せする)なんてことはありえません。

なぜなら、原因が違うからです。

「腹筋が弱くなったからお腹に脂肪がついた」のではなく、「運動能力を損なわないように、余分な摂取カロリーをお腹周りに蓄えた」のですから。腹筋運動を10分するくらいなら、3分走った方がマシです。

効果的なダイエット法についてはいずれ投稿します。

 

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