今回は新陳代謝の話をします。
まず、ヒトの身体は、たくさんの細胞の集まりでできています。
細胞の総数は、約37兆個と言われています。
(僕が学校で習ったときは約60兆個と教わりました。時代の流れを感じます)
そして、細胞が集まって組織となり、組織が集まって器官として機能しています。
これは、筋肉や骨、皮膚や内蔵でも同じような感じで、【細胞<組織<器官】となっています。(細胞の大きさや形は、その機能によって様々です)
筋肉で言えば、
筋肉の細胞(細長い細胞)の集まりが、筋肉の組織となり、筋肉の組織の集まりが、いわゆるひとつの筋肉(大胸筋とか、上腕二頭筋とか)になります。
筋肉を、スーパーとかで売っているそうめんの乾麺一袋に例えると、
一本が筋細胞、
一束が筋組織、
一袋が、いわゆるひとつの筋肉、みたいな感じです。
そんな感じで、身体は細胞の集まりでできているのですが、細胞ひとつひとつの寿命は、けっこう短いです。
これも細胞によって違うのですが、大抵、数日〜数ヶ月くらいと言われています。
それでもヒトの寿命が数ヶ月で終わらないのは、新陳代謝しているからです。
では、新陳代謝を「花束を美しくキープすること」に例えて説明していきます。
まず、3日間きれいに咲く花で、5本の花束を作るとします。
3日目までは、きれいに咲いていますが、4日目、5日目になると、枯れてしまいます。下図上のように。
(青の数字は、その花が何日目の花なのかを表しています)
しかし、上図下のように、1日1本ずつ(5日目の花を、新しい花と)交換していったとしたら、いつまでも3本はきれいに咲いたままです。
身体の中でも、上図下のように細胞が入れ替わっているのです。
(お花1本が1つの細胞、花束が組織)
一気に全ての細胞が年老いたら、身体はその度に機能低下を起こしてしまうでしょう。
そうならないよう、毎日少しずつ、古くなった細胞を分解して、新しい細胞が生まれているのです。
古くなったものを、新しいものへと代謝する。
それが、新陳代謝です。
では次に、新陳代謝の良し悪しについて説明します。
下図上は、1日に2本の花を、新しい花と交換している様子(新陳代謝が良い)
下図下は、2日に1本の花を交換している様子です(新陳代謝が悪い)。
「新陳代謝が良い」上図上の花束は、いつまでも、ずっと若々しい花束でいられるのです。
一方、「新陳代謝が悪い」上図下の花束は、しおれた花の割合の方が多くなってしまっています。
例えば、皮膚の組織ですが、新陳代謝がよい人ほどきめ細かく張りがあります。これも新鮮な細胞によって組織されているからです。
子どもは新陳代謝がとても良く、 細胞がちょっと古くなっただけで分解され、新しい細胞もどんどん生まれて、すぐに新しい細胞に入れ替わります。
そのため、常に新鮮な細胞の集まりで皮膚組織が作られ、ぷりっぷっりの肌になるのです。
しかし新陳代謝が悪いと、 細胞が古くなってきてもなかなか分解されず、新しい細胞もちょっとずつしか生まれません。
ということは、組織的には、古い細胞の比率が大きくなってしまい、新鮮ではない組織になってしまいます。
新陳代謝は、基本的には歳を重ねるほど悪くなるので、年齢が上がるほど皮膚のハリが無くなってしまうのはそのためです。
ちなみに、新陳代謝を上げる唯一の方法は、運動と言われています。
そういう意味でも、運動は良いのですね。
さて次回は、新陳代謝の話を踏まえて、アスリートの食事管理の話をしていく予定です。
→次の記事『身体の合成と分解、同化と異化とは?』へ
→ブログ一覧へ
→アーカイブ(主要な記事一覧)へ