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最新のストレッチ情報(2/4)〜ストレッチに疲労回復の効果はない!?

photo by Kurt Bauschardt

最新のストレッチ情報(1/4)ストレッチはケガ予防にならない!?の続きです。

一般的には、「ストレッチには疲労回復の効果がある」というイメージがあるように思います。

僕も10年くらい前までは、そうだと思っていました。

しかし実際は、
ストレッチに疲労回復の効果はほとんど無く、筋肉痛(遅発性筋痛)を予防する効果もありません。
さらに、高強度の筋力トレーニングをした後は、ストレッチをするとかえって回復が遅れてしまう
というのです。

 

今回は、それについて少し詳しく説明していきます。

まず、アスリートの疲労回復を調査した研究について。

アスリートに最大努力でランニングさせた後、①ストレッチ、②温冷交代浴、③安静(座位)のいずれかの方法を施し、その後、再びトレーニングをして評価するというものです。

結果はなんと、
処置後の痛みの感じ方や最大筋力などに、①②③の3つとも有意な差は見られなかったのです。(E.Robey et al., 2009)

つまり、ストレッチをしても、安静にしてても、疲労回復の度合いは変わらなかったということです。

 

さらに、別の研究報告においてもストレッチの効果が否定されています。

その研究は、
運動後に、①ストレッチ、②安静、③軽運動の3つのグループに分けて、その後の筋疲労度を調査したものです。

結果は、一番効果的だったのが軽運動で、「疲労回復には軽く運動するのが最も効果的だ」というものでした。

 

そうは言っても、ストレッチをすると、痛みが和らぎ、楽になった感覚があるのも事実です。

「だからその研究報告の方が間違いじゃないの?」と、そう感じるかもしれません。

しかし、その痛みの軽減は、ストレッチによる【痛みの閾値(いきち)】の上昇が原因のようです。

これは簡単に言うと、「ストレッチによって、一時的に痛みを感じにくくなっただけ」ということです。
(※痛みの閾値について詳しくはこちら→『セルフマッサージやストレッチをするにあたって知っておいたほうがいいこと』

ストレッチは、痛みや疲労感を一時的に和らげるだけであって、実際に疲労や筋肉損傷の回復を促すわけではないのです。

 

そもそも、筋トレ(特に、きつめの筋トレ)をすると、筋細胞は損傷を起こします。

その状態でストレッチをすることは、傷口を開くのと同様です。

高強度のトレーニング、あるいは筋力向上のトレーニング後のストレッチングは避けるべきである。また、遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)が生じる可能性のある筋群にストレッチングをすべきではない。

『リカバリーの科学』p71

ストレッチをすると、筋肉痛が長引き、回復が遅くなるという報告もありますので注意が必要です。

 

 

現時点で、疲労回復に効果がありそうなのは、軽い運動と、瞑想くらいです。

疲労があっても、日中に軽く動くことで筋肉はほぐれ、血流は良くなり、自律神経系も整い、寝ている間の疲労回復を促します。

ちなみに僕は、疲れていても、筋肉痛があっても軽く動くようにしています。

そして夜は、(夜更かしして、ゲームや読書をしながらコーラを飲みたいのを我慢して)瞑想をして早く寝ます。

おかげで毎日元気もりもりです。

 

※1日の終りのルーティーンワークとして軽めなストレッチをすることは、確かに疲労回復の効果があるようです。
ただしそれは、「ストレッチがよい」というよりも、「心身をリラックスさせるルーティーンワークによって自律神経系が整う」という意味合いの方が強そうです。

 

さて次回は、柔軟性とパフォーマンスの話をしていく予定です。

 

 

→次の記事『柔軟性を高めても競技パフォーマンスは上がらない?』へ(作成中。毎週土曜日更新)

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