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最新のストレッチ情報(3/4)〜柔軟性を高めてもパフォーマンスは上がらない!?

photo by Minda Haas Kuhlmann

最新のストレッチ情報(1/4)ストレッチはケガ予防にならない!?
最新のストレッチ情報(2/4)ストレッチに疲労回復の効果はない!?の続きです。

 

スポーツの現場では、一般的に、
「ストレッチをして柔軟性を高めればパフォーマンスも上がる」といった認識もあるように思います。

今回はそれについてまとめていきますが、結論から言いますと、そんなことはほとんどありません。

逆にストレッチで過度に柔軟性を高めてしまうと、パフォーマンスが低下することもあるのです。
Ingraham, S.J. 2003. The role of flexibility in injury prevention and athletic performance: have we stretched the truth?

 

これまでも説明してきたように、運動前にストレッチをすると、筋肉の反応速度(特に瞬発力)の低下と、最大筋力の低下が生じます。

さらに、運動前でなくとも、過度にストレッチをして柔軟性を高めると、関節が不安定になる可能性があるのです。

ストレッチをして伸びるのは筋肉だけではありません。伸ばす角度によっては、靭帯や関節包(関節の安定保護に重要な組織)も一緒に引き伸ばされます。

一般的に、靭帯や関節包にある程度の緊張感があった方が関節の安定性は良いです(もちろん、硬すぎるのは良くない)。そして、柔らかい(緩い)ほど関節は不安定となります。

つまり、ストレッチによって可動域が広がるとしても、
それによる関節の不安定性が、パフォーマンスを低下させ、ケガの発症率を高めているかもしれないのです。

ただし、ストレッチの効果は未だ研究途中であり、「ストレッチをするべき!」とも、「ストレッチをしてはいけない!」とも言えないというのが現状です。
Thacker, S.B., J. Gilchrist, D.F. Stroup, and C.D. Kimsey. 2004. The impact of stretching on sports injury risk: a systematic review of the literature.

 

とりあえず今、科学的根拠をもって言えることは、
運動の直前に、競技で必要とされる以上のストレッチをすることは、パフォーマンスに有害であり、ケガの発症率も高める可能性がある、ということです。

 

どんなストレッチをすればいいのか?については、次回説明していく予定です。

 

→次の記事『効果的なストレッチのやり方とは?』へ(作成中。毎週土曜日更新)

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