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最新のストレッチ情報(1/4)ストレッチはケガ予防にならない!?
最新のストレッチ情報(2/4)ストレッチに疲労回復の効果はない!?
最新のストレッチ情報(3/4)柔軟性を高めてもパフォーマンスは上がらない!?の続きです。
今回は、では、どんな風にストレッチをすれば効果的なのか?という話になります。
まずは、スポーツにおける可動域(柔軟性)の話をします。
基本的には、スポーツに必要とされる可動域(柔軟性)は、
その競技の動作に必要な可動域の120%あればよいと考えられています。
どういうことかと言いますと、
例えば競技において、股関節を100度開く必要があるのなら、股関節を120度開けるくらいの柔軟性は必要だということです。
そして、それ以上の柔軟性には、パフォーマンスを高めるような効果はありません。
器械体操や新体操など、高い柔軟性を必要とする競技をするなら別ですが、
陸上、卓球、バレー、野球、バスケなどは、そこまで柔軟性を必要とはしません。ある程度の柔軟性(競技動作の120%の可動域)があるのなら、無理に可動域を広げるようなストレッチをする必要はないようです。
(『柔軟性を高めてもパフォーマンスは上がらない!?』参照)
一方、競技動作の120%の可動域に足りていない場合は、ストレッチをして柔軟性を高め、最大可動域を広げる必要がありますが、重要な注意点があります。
それは、最大可動域を広げるようなストレッチは、競技の練習前にはしてはいけないということです。
これまで説明してきた通り、運動前のストレッチはパフォーマンスを落としてケガを起こりやすくしてしいます。(『ストレッチはケガ予防にならない!?』参照)
練習前に行うなら、今現在の無理のない範囲の可動域で、一箇所のストレッチにかける時間は2〜3秒以内にすることです。
「限界まで伸ばして、止めて10秒」といったストレッチではなく、動きながら少しずつ可動域を広げてストレッチしていく感じです。
ちなみにこの動きながら行うストレッチは、動的ストレッチと言い、スポーツの準備体操としてよく行われているものです。
そして、最大可動域を広げるようなストレッチは、お風呂上がりに行うのがおすすめです。
その場合は、最大まで可動域を広げ、ゆっくり呼吸をしながら15秒以上は止めます。
そうすると、さらに広げられるようになりますので、さらに可動域を広げ、また15秒以上止めます。
するとまたさらに広げられるようになりますので、さらに可動域を広げ、また15秒以上止めます。
このように、一箇所に少なくとも15秒を3回、徐々に可動域を広げながら行うとよいです。痛くて、ストレッチの後は上手く力が入らなくなりますが、もう寝るだけですので安心してストレッチしてください。
次におすすめしたいのは、
シーズンオフや、トレーニングがしたくてもできなかった時などのストレッチです。
ストレッチには、リラックス効果や疲労回復を促す効果がないことは説明しました。
(『ストレッチに疲労回復の効果はない!?』参照)
これは逆に言うと、ストレッチは筋肉への刺激として利用できるということです。
ストレッチを念入りにすると、筋肉痛になることがあります。それだけ刺激があるということです。
シーズンオフは、カラダをしっかり休める必要がありますが、あまり筋肉を落としたくはないハズです。
ストレッチには、どうやら、筋肉に刺激を入れて、筋力を落とさないようにする効果があるようなのです。
(ストレッチで筋力が上がるわけではありません。あくまで“維持”です。)
シーズンに入ってすぐに筋肉をしっかり使えるよう、ストレッチをして、筋肉にある程度の刺激を入れておくのがよいのです。
さて、ひとまずストレッチに関する記事はこれで終わりです。
これまでの大まかな内容をまとめてみます。
◆運動前にゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチ(静的ストレッチ)をすると、パフォーマンスが落ち、ケガの発症率を高めてしまうこともある。
◆トレーニング後にストレッチをしても、筋肉痛の予防や、疲労回復を促す効果はない。
◆強度な筋力増強トレーニングの後にストレッチをすると、痛みが増し、回復を妨げる可能性がある。
◆柔軟性は、「高めれば高めるほどよい」というものではない。過度の柔軟性はパフォーマンスを低下させることもある。
◆最大可動域を広げたいのなら、運動前ではなく、お風呂上がり(寝る数時間前など)に行うのがおすすめ。
◆シーズンオフには、ストレッチをして筋肉に刺激を入れることで、筋力の低下をある程度防げる。
また新たな研究報告がありましたら、追記していく予定です。
ストレッチに関する理解を少しでも深めていただければと思います。
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