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好き嫌いは、環境によって作られる

Et le deuxième colis !! #tampon #Facebook

僕は、ビートルズのレットイットビーがとてもとても好きです。おそらく今後も、この曲以上に好きになる曲は現れないと思います。

それくらい特別に好きな曲なのです。

僕がレットイットビーを好きな理由は、心地よいコード進行とメロディーライン、そして、ピアノとギターの絶妙なバランス…、なんて考えていました。下記の研究を知るまでは。

ヘッドフォンの架空のモニター調査を行い、集まった人たちに音の良し悪しや欲しいと思うかなどを用紙に記入してもらった。そしてしばらくしてから、同じ参加者にインタビューを行った。2本のペンを見せて、どちらが好きかを聞くのだが、実は、片方のペンは最初のアンケートに使ったもので、もう片方は別の種類のペンなのだ。すると、ヘッドフォンに好意的な評価を書いた人はそのときのペンを選び、ネガティブな感想を書いた人は別のペンを選ぶという具合に、見事に二分されたのだ。

つまり、「ヘッドフォンがよかったので、ペンまで気に入ってしまった」というわけで、逆の場合も理屈は同じです。

そしてそれは、無意識に生じるのです。本人は、ヘッドフォンのアンケートで用いたペンだということを忘れていたとしても、同様の結果になるのですから。

 

このように『好き』『嫌い』といった感情が他の事柄にまで波及することを「汎化(はんか)」といいます。

別の実験では、白いうさぎのぬいぐるみに触れようとした赤ちゃんの近くで銅鑼を鳴らし何度か脅かすうちに、そのぬいぐるみばかりか、うさぎ、ついには白いもの全般が嫌いになってしまったという怖い実験結果が出ています。

こういう好き嫌いの感情の原因について本人は覚えていない(または、別の理由をでっち上げている)場合がほとんどなのです。

 

冒頭の話に戻りますが、僕がレットイットビーを好きな理由は、”当時の体験”にあったのです。

僕はその曲を通じて、心が揺さぶられる感動的な体験(快感)を親友と共感しました。そしてその時から、「心が揺さぶられる感動的な体験」と「レットイットビー」とが汎化されたのでしょう。

 

物事の好き嫌いは、それを見聞きした時の環境(友人や恋人と楽しんでいたときに見聞きしたか、または、親に叱られたときに見聞きしたのか、といった状況)に大きく影響されるようです。

そして、そんな環境要因はすっかり忘れ、後からもっともらしい理由を作り上げるわけです。(『都合のいいように理由をでっち上げる脳』を参照)

 

自分の好き嫌いを、昔の体験と照らし合わせてみると、面白い発見があるかもしれません。

 

→次の記事『好き嫌いは、身体反応によって作られる』

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