これまでの過去記事、
『神経系の誤作動によるケガとは?」
『ストレスと運動失調の関係』
『「知る」から「認知する」へ』
にて、ストレスでケガが起こる可能性について話し、そしてその予防には「認知する」ということが第一だという説明をしてきました。
今回は、その続きです。
まず簡単に言いますと、認知した後に自分を許せるかどうか(自己許容)がストレス軽減・ケガ予防のポイントとなります。
人は、本当の意味で自分について認知すると、自己嫌悪に陥るのだそうです。自分はなんて小さい人間なんだと。
僕もそうでした。でも、それが当たり前なのだと考えることで、自分を許せるようになります。それが自己許容です。
こんな風に話すと簡単なことに感じますが、
こういった話で一番難しいのが、「自己許容」のことを「自分を甘やかす」ということと勘違いしてしまうところでしょう。
この説明はちょっとややこしくなるので、イメージしやすくなるよう、一人の人物を例に見ていきます。
例えば、「大会で良い成績を出せないかもしれない」と不安に思っている選手がいるとします。
それの自己許容は「頑張ったってダメなことはあるさ!よい成績をだせなくても自分を許そう!」ではありません。
この選手がまずするべきなのは、「なぜ大会で良い成績を出せないことが嫌なのか?」と自問することです。
コーチに怒られるのが嫌なのか、
親の期待を裏切ることが嫌なのか、
友人にバカにされそうで嫌なのか、
自分の限界を(自分は大した人物ではないと)認めたくないからなのか。
はたまた、これだけやっているのに結果が出せないなら、この競技をしている意味がないと(時間の無駄だと)思ってしまうからなのか。
それとも、それら全部なのか?
そうやって考えていると、かっこつけなくせに弱くて、嫉妬深くて、ちっぽけな自分に嫌気がさしたりします。
これが認知からの自己嫌悪です(笑)。
そうやって認知した後、自己を許すというのは、上記のような感情を許すということなのです。
それはそれできっかけがないと難しいのですが、
僕が個人的にこの感情を許せるようになったのは、進化論について詳しく理解してからです。
進化論について話し始めると止まらなくなるので書きませんが(笑)、
そんな風に、かっこつけなくせに弱くて、嫉妬深くて、ちっぽけなのは当たり前なのです。人はそういう風に進化してきたのですから。
そういう感情が無意識にあるからこそ、人類は発展してきたようです。
つまり、みんな持って生まれた、当たり前の感情なのです。
だから、そんな感情で自己嫌悪になる必要はないのだと、その部分を許容するんです。
しっかり認知して、奥底の感情を許容した上で、「結果を出せなくても仕方ない」と思えるのは、
自分に甘えたり現実逃避したりして「結果出せなくてもまあいいや」というのとは全然違います。
不安や悩みのある選手は、ぜひ一度、
不安の根源の部分をしっかり自問して認知し、許容するよう心がけてみてほしいです。
それだけで、身体が軽くなることもありますので。
そして、それでも尚、不安や悩みが軽減されないなら、親や友人、コーチに(もちろん僕にでも)、その悩みを打ち明けてみてください。自分の中の何かが変わると思います。
それはきっと、ケガ予防にもなりますし、記録を伸ばすきっかけにもなるかもしれません。
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