投球における肩周辺の筋肉について説明していきます。
1,『全身を使うということ』
2,『なぜ野球肩、野球肘になるのか?』
3,『肩のせいで肘を痛める?野球肩の原因とは?』
4,『肩関節のアウターマッスルとは?インナーマッスルとは?』←今ここ
5,『肩関節のゼロポジションとは?』
6,『ゼロポジションと投球動作』
7,『投球で肘を上げるための方法とは?』
8,『投球で肘を上げて、肩関節をゼロポジションへ合わせるための体幹の使い方』
9,『投球で肘を上げて、肩関節をゼロポジションへ合わせる左腕の使い方』
まずは、アウターマッスルとインナーマッスルについてです。
筋肉は、大きな力を発揮して関節を動かす外側のアウターマッスルと、主に関節の保護の役割を果たしている内側のインナーマッスルとに分けられます。
肩周辺のアウターマッスルは、大胸筋や三角筋、広背筋などです。
【大胸筋(だいきょうきん)】胸の内側から、腕の骨まで繋がっています。大きな筋肉です。
【三角筋(さんかくきん)】前部、中部、後部に分けられます。
【広背筋(こうはいきん)】腰や背中から、腕の骨まで繋がっています。これも大きい筋肉です。
そして、アウターマッスルである大胸筋や三角筋(前・中・後部)、広背筋の内側に、肩のインナーマッスルがあります。
下画像のように、それらの筋肉を取り除くと関節周辺の小さな筋肉が見えてきました。
主なインナーマッスルは、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋などです。
【棘下筋(きょくじょうきん)】肩甲骨から、腕の骨頭(こっとう)に繋がっています。
【棘下筋(きょくかきん)】肩甲骨から、腕の骨頭の外側についています。
【小円筋(しょうえんきん)】これも肩甲骨から、腕の骨頭の外側へつきます。
【肩甲下筋(けんこうかきん)】この筋肉は、肩甲骨の内側(肋骨との間)から、腕の骨頭の内側へ繋がっています。
インナーマッスルの画像を見ると、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋によって腕の骨頭を包み込み、肩関節に抑えつけて固定しているように見えると思います。
実際の機能もまさにそれで、このインナーマッスルかしっかり機能しているからこそ、肩関節は脱臼したりケガをすることなく大きく動かすことができるのです。
アウターマッスルは見るからに大きく、もちろん力も強いです。
アウターマッスルばかり鍛えると、その強大な力にインナーマッスルが耐えられず、靭帯や腱、インナーマッスルの損傷に繋がります。
野球のピッチャーなど、肩をよく使うスポーツ選手が、「肩のインナーマッスルを鍛えるべき」と言われるのは、そういう訳があるのです。
(いずれインナーマッスルのトレーニング方法も説明していきたいと思います。)
では、それを踏まえた上で、投球動作において効率よく筋肉を使うにはどうするべきなのでしょうか?
長くなりましたので、それは次回説明していきます。
→次の記事『肩関節のゼロポジションとは?』へ
→ブログ一覧へ
→アーカイブ(主要な記事一覧)へ