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放射能を恐れすぎることに対して警告する理由

初めに言っておきますが、僕は原発推進派ではありません。どちらかと言えば原発反対派です。

できるだけ早い時期に、安くて安全なエネルギーにシフトしていけるように最善をつくすべきだと、科学的に(感情的にではなく)考えています。

科学で重んじることは、

  • 相関関係は因果関係を意味しない(放射能を浴びることと、発癌率の上昇に相関関係があっても、それが因果関係だと決めつけてはいけないということ)
  • 証拠がないのは、ないことの証明ではない
  • 常に新しい証拠(自分たちの見解を支持するものも、それに反対するものも両方とも)に心を開いていなければならない
  • 「見た」からといって必ずしも信じてはならない

などです。

僕は、「放射能はほんのわずがでも危険だ!」というものから、そうでないものまで、自身の見解に固執しないよう注意しながら吟味しました。その結果がこれから示すことです。

もし、今の僕の見解にそぐわない事実が発覚した場合、僕はすぐにでも見解を変える心構えがあります。自身の見解を支持しない意見に対しては、心を開かず頭ごなしに否定する人が多いですが、僕はそうならないように常に意識しているということをお分かりください。

 

僕が思うのは、「放射能を恐れすぎていないか?」ということです。

 

おそらくほとんどの人が、”放射能を過度に恐れること”への悪影響(リスク)を過小評価しています。(警戒し、恐れすぎるくらいの方がいいとさえ思っていそう)

僕は、今回の震災が起きる前から、ストレスが身体や社会活動に及ぼす影響について、数多くの論文や本を読んできました。

そこで知ったのは、ストレスが及ぼす影響はとても大きいということです。

なんと、世にはびこる死因の3分の2は心理的ストレスによって生じていると考えられるのです。例えば、癌、心臓病、脳卒中、呼吸器疾患、痴呆、事故、自殺、および肝硬変などは、ストレスとの関係は明白です。

ストレスは、副腎から放出されるコルチゾールの血中濃度に影響を与えます。コルチゾールの血中濃度が上昇すると、免疫細胞の数を減じるとともに機能を損ない、病気に対する抵抗力を失わせます。

アメリカの研究では、慢性的なストレスにさらされると、消費が落ち込んで経済が停滞したり、自殺はもちろん、殺人事件や暴行事件、盗難、強盗、いじめなどが増加することも示されています。

他にも、中絶や死産、早産、奇形など先天性疾患の発症率の上昇なども確認されており、ストレスによる悪影響が多岐にわたることが知られているのです。

 

一方、放射能による悪影響についてですが、長期的な低線量の放射線による発癌性を示す研究のうち信頼度が高いものは、チェルノブイリ周辺の子どもに増えた甲状腺癌だけなのです。

そしてここには、チェルノブイリ周辺の子どもたちは慢性的なヨウ素不足だったという背景があります。しかも、放射性ヨウ素が含まれる乳製品が大量に、しかも長期にわたって市場に出回っていたため、放射性ヨウ素を大量に甲状腺に蓄積させてしまい、発癌性が増したのです。

一方日本は、その食文化により、ヨウ素はほぼ足りています。しかも、放射性ヨウ素が含まれた食品は、ほとんど市場に出回っていません。つまり、甲状腺癌の発癌性が上昇するとは考えにくいわけです。

 

また、その他の癌についてですが、多くの放射線障害の研究において発癌性が示されているのは事実です。

どういったものかと言いますと、チェルノブイリ周辺や、核実験を行った周辺地域の住民などの、事故以前の発癌率と、事故後の発癌率を調査したというものです。

それを見ると、確かに放射線量の高い地域ほど発癌性が高くなっていることが示されれており、それが放射線による発癌性の上昇であると結論付けられています。(メディアでよく目にするのはこういった研究結果です)

しかし、それらの研究のほぼ全てが、ストレスによる発癌性を考慮していないのです

家族や友人、知人の死、失職、転職、転校、引っ越し、将来への不安など、これらのストレスにより発癌性が高まることが知られています。つまり、チェルノブイリ周辺地域の住民は、多くのストレスに晒されており、ストレスにより健康を害する可能性があったわけです。

となると、放射線による発癌性を厳密に調査するためには、そういったストレスによる発癌性を差し引く必要があるわけです。

そして、ストレスを考慮に入れた研究(数は少ないですが)によると、チェルノブイリ事故後の発癌率の上昇は、ストレスによる発癌率の上昇により統計的に相殺されてしまうのです。

そのため、低線量(年間数百ミリシーベルト)による長期的な放射線の発癌性に関しては「判定不能(子どもの甲状腺癌を除く)」となりました。(これは、発癌性があるとも無いとも言えないということです)

つまり、事故後にストレスに対するケアがなされていれば、発癌率はそれほど上昇しなかった可能性があるということです。

ちなみに、こういったストレスに対処する姿勢(ストレス源によるリスクを理解し、過度に恐れないようにすることなど)を指導すると、健康状態が良くなることが知られています。

大きく言うなれば、放射能を過度に恐れている人は、この記事を読むだけで発癌率を下げる可能性があるわけです。

 

それから、放射能は少しでも危険だ!と主張する人たちが提示してくるものに、proteus syndrome、Cyclopia、Apert syndromeなどの遺伝子異常があります(グーグルで画像検索すれば出てきますが、閲覧にはご注意下さい)。しかし、これらと放射能の関連性を示すきちんととしたデータは存在しないのです。(これらを提示する人たちに、何度かデータ元を教えて下さいとお願いしましたが、答えてくれませんでした)

こういったものは、目に直接訴えかけるため、インパクトが強く、それが正しいがどうかに関わらず強い嫌悪感と恐怖を抱かせるものです。

きちんとしたデータが無いのに、こういった画像を利用して恐怖を煽るのはどうなのでしょう?

 

僕は、原発事故を安易に考えているわけでも、東電や国を擁護したいわけでもありません。ただ、もっと健やかに、穏やかに日常を送れるようになればいいと思っているだけです。

そのための方法の一つとして、『放射能による悪影響よりも、過度に恐れすぎることの悪影響の方が大きい』ということを知ることに意味があると考えています。

健康、経済、治安に及ぼすストレスの影響は、軽いものではないのですから。

 

※こういった意見を持つ科学者もたくさんいます。例えば→『日本の「被曝限度」は厳しすぎる』『福島における甲状腺がんをめぐる議論を考える――福島の子どもをほんとうに守るために


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