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今回は、性格診断【特性5因子】の誠実性についてまとめました。
※特性5因子診断をされていない方は、先に→コチラ←で診断をしてから読むことをおすすめします。ちなみに僕の誠実性のスコアは7、「中間〜やや高い」でした。
僕はよく思います。
「今、仕事などやめて、科学本を読んだりゲームをしたりすることができたら、どんなにいいだろう」
そうすれば、目の前に出された確実な報酬(「大好きな読書ができる♪」という報酬)が手に入ります。
しかし、もしそんなことをしてしまえば、たちまち信頼を失い、目先の報酬が大きな罰へと変わってしまうことでしょう。
人生という長い目で見れば、いま目先の楽しみに手を伸ばしたい衝動を抑えて仕事をした方が、はるかに有意義なのです。
このように、僕たちは常に、目先の報酬から自分を抑制し、長期的な利益(社会的信頼を得て、それなりに仕事をしてお金を稼ぎ、幸せな人生を送ること)を追求しているのです。
誠実性を説明する上で「目先の報酬」の話を出したのには、もちろん理由があります。
誠実性の極めて低い人は、こういった目先の報酬を我慢することが困難なのです。
ここで興味深いのは、「長い目でみたら、今は我慢した方がいい」と、本人が理解しているにも関わらず、目先の報酬を抑制することができないということです。
「頭では分かっているが、やめられない」
これは多くの人が実感していることでしょう。
ダイエットしたいのにお菓子を食べてしまう
パチンコをやめられない
課題をやらなければいけないのにYoutubeを見てしまう…
こういった事は、少なからず誰にでもあることだと思います。もちろん僕もたくさんあります。
これらに共通するのは、「衝動を抑制できない」ということであり、その能力には個人差があります。
それが、誠実性のスコアにあたるわけです。
つまり、誠実性の高い人は、
「目先の報酬へ向かおうとする衝動を抑制し、今やらなければならないことができる。」ということです。
これは、仕事には有効な特性でしょう。
実際、おおむね他の条件が同じであれば、誠実性のスコアが高ければ高いほど、職業上の成功の可能性も大きくなるようです。
そして、誠実性が低ければ低いほど、ギャンブルなどの依存症になる可能性が高まり、法律を犯すことへのハードルが下がり、決められた仕事をこなすことに苦労するようです。
ここまでの内容からすると、誠実性は、高いほうがよいと思われるかもしれません。
しかし、高い誠実性もまた、状況によってはリスクになりえるのです。
誠実性とは、 人が内にもっている基準やプランに固執することを意味します。つまり、高い誠実性を持つ人は、決められたルールからそれることを嫌うのです。そしてそれが、臨機応変な対応を妨げてしまうのです。
狩猟採集生活の多くは、予測不能な出来事のために、前もって計画するのは不可能だった。
目の前を走り過ぎていくヌーの群れを見送りながら、「実は水曜日は蜂蜜集めの日なんでね」などと言うのは、けっして良い反応とは言えない。
狩猟採集生活の世界は予測不能であり、いくぶん無法で、ときとして暴力的で、また活動的で、常に変化しつづけていた。そのような世界では、誠実性が低い若者こそきわめて成功したはずである。
そして、現代社会においても、高すぎる誠実性はリスクになることがあります。
誠実性が極めて高い人物、ロナルドの例を上げてみます。
ロナルドは、規則、リスト、スケジュールなどのほか、自分で決めたプランに固執して、細部にまで徹底してこだわるのです。
ロナルドは、ウィークデイには毎朝かならず6時45分に起き、2分15秒ゆでた半熟卵を二個食べ、8時15分には職場の机に向かう。そのあと一日が終わるまで、同じように厳しく統制されたやり方で過ごす…
スケジュールを変えざるをえなくなると、「不安と不快感、そして自分が何か間違ったことをしていて、時間を無駄にしているという感覚」に襲われる。スケジュールにおわれているため、臨機応変で柔軟な対応ができず、トラブルもしばしば起こる。
仕事の状況は、いつも同じわけではありません。時には臨機応変な対応が必要でしょう。それは人間関係においてもそうです。
このように、誠実性が高すぎることで生じる不利が実際にあります。
現代社会では特に、「誠実性は、高いほうがよい」とされる風潮がありますが、それも良し悪しということです。
誠実性が高い人は、きっちり仕事ができるかもしれませんが、一方で、息の詰まる人生になりやすいかもしれません。
誠実性が低い人は、柔軟な思考で新たな事業を開拓できるかもしれませんが、「仕事が長続きしないダメなやつだ」というレッテルを貼られてしまうことに繋がるかもしれません。
自身の特性を知り、特性に合わせ(そしてたまには逆らって)、よりよい生き方を選択していきたいものです。
(※誠実性についてより詳しく知りたい方は→こちら(過去記事)←へ)
さて次回は、特性5因子『調和性』についてまとめていく予定です。
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