前回記事『最小限の力で最大限のパフォーマンスを』の続きです。
バランスの重要性について、長時間片足立ちすることを例に説明します。
例えば、実際に片足立ちをしてみると分かりやすいのですが、
一番エネルギーを消耗するのは、バランスを崩したところから立て直すときです。
まっすぐ、バランスよく立っているときは、そんなに筋力を使う必要はありませんが、
崩れた姿勢をもとに戻すときは、全身の筋力を使います。
一方で、「絶対にバランスを崩すまい!」と、全身を強張らせていたのでは、すぐに疲れてしまいます。しかも、力むと余計にバランスがとれなくなったりもします。
効率よく片足立ちするには、姿勢が乱れない程度の最小限の力でバランスをとることが重要なのです。
これは、どんなスポーツでも同様です。
走るにしても、実は、まっすぐ走れる人はあまりいません。
それがもし、バランスをとってまっすぐ走れるようになったら、どうなるでしょう。
まちがいなく、スピードは速くなり、疲れにくくなります。
ボールを使う競技でもそうです。
例えばバスケットボールで、バランスを崩して身体を傾かせながらのシュートと、バランス良く立っている時のシュート、どちらがきまりやすいでしょうか。
ちょっとしたバランス能力の違いが、競技のパフォーマンスを左右するのです。
どうしても、トレーニングというのは、筋力や持久力を高めることや、フォームの改善などに意識が向きやすいです。
でもそれと同じくらい重要なのがバランスなのです。
バランスが悪ければ、筋力や持久力がついても、フォームを改良しても、それを最大限に活かすことはできないでしょう。
ぜひ、バランストレーニングも行って、最小限の力で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう心がけていただきたいです。
では、うちでもよく行っている、基本的なバランストレーニング、『ランジウォーク・ウォーキングランジ』を紹介したいと思います。(ちなみにこれは、一般的にはバランストレーニングに位置づけされていません。)
上画像のように、大きく足を広げて、一歩ずつ踏ん張りながら歩く下半身のトレーニングです。
誰でもできる簡単な動きなのですが、着地した足が、ピタッと動かずに止めるのは、けっこう難しいです。
足首の真上に膝がくるように、着地で足がぐらつかないように、まっすぐ歩きます。
ほんのすこしでも、親指側へ体重が寄ったり、膝が揺れるのもダメです。そして、無駄に力が入るのもダメです。姿勢を維持できる、最小限の力で行います。
とっても地味ですし、誰がやってもそれなりの形にはなります。
しかし実は、奥深くて難しいトレーニングです。
スムーズな重心移動からの着地、足裏でしっかりと身体を支える感触を意識してトレーニングするとよいです。
個人的には、こういうトレーニングを真剣に取り組める子ほど、競技で伸びているように思います。
普段のトレーニングに、こういったバランストレーニングも取り入れてみてはいかがでしょうか。
さて次回は、バットのスイング、ゴルフのスイングなどでよく言われる、「壁を作る」ということについて明確に説明していく予定です。
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